産地や販売地を表示する標章の登録問題

産地や販売地を表示する標章の登録問題

「ジョージア」という商標を第30類「コーヒー」について商標登録出願した場合、登録は可能かという問題のポイントは、ある商品名を使い続けることにより、それが商標として自他の商品の識別力をもつようになると認められる可能性があるか否かという点です。

そもそも「ジョージア」という商標は、その指定商品である「コーヒー」の産地を普通に表示する標章のみからなる商標ですので、商標法3条1項3号により登録が認められない筈です。しかし、これで可能性が全てなくなった訳ではなく、商標法の別の箇所では、商品の産地や販売地などを普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であっても、使用され続けた結果、消費者がなんらかの商品・サービスであると認識できるようになれば商標登録が可能になるとしています。

使用により商標が識別力を持つに至ったか否かを認定する場合は、1.実際に使用している商標や商品・サービス、2.使用開始時期、3.使用期間、4.使用地域、5.生産量や営業の規模、6.広告宣伝の方法や回数、内容といった事実を、事実を証明する書類等に基づき、総合的に判断することになっています。事実を証明するものとしては、納入伝票等伝票類、請求書や領収書、帳簿、広告等が掲載された印刷物、商標が使用されていることを明示する写真など、広告業者や放送業者などの証明書、同業組合や同業者の証明書、取引先などの証明書、消費者や公的機関の証明書などが効力をもつとされています。

ジョージアコーヒーの場合

つまり「ジョージア」という商標を「コーヒー」に使用され続けた結果、消費者が特定の商品として認識することができるようになれば、登録される可能性があるということになります。実際、紅茶・コーヒー・ココア・コーヒー飲料・ココア飲料を指定商品とする「GEORGIA」という商標が使用された結果、識別力を持つことになったか否かが争われた件では、紅茶に使われた場合だけを除いて、商標と認められるだけの識別力をもつにいたったという判断が示されています。

これは商標登録を望む側にとっては有利な条項となりますが、類似の商標や言葉を使用する他人にとっては常に注意を要する部分と考えられます。商標法上商標と認められない標章なので使用しても安全とは言いきれないということになり、より詳細な調査が必要となることが分かります。